キングダム809話「六将の責任」 – フルイメージバージョン | 戦いが終わった後の地で本来流れなくてよかったはずの血を流さないために反乱の御旗になるような存在は断じておくべきだと主張。あながち間違ったことではないと思えますね。
キングダム809話「六将の責任」
キングダム809話は、南陽城の城主の椅子に剛京が座り、その前に引きずり出されてきた龍安を主要メンバーが取り囲んでいるシーンからでした。
沈黙の中、剛京の前に座らされている龍安。
剛京が沈黙を破り口を開いたと思うと、やはり龍安を斬首の刑に処すと言う内容で、罪は秦国に対する戦争行為であるとの事。
攻めこんでおいて相手の国の城主を戦争行為の罪で裁くと言うのも理不尽ですが、昔はこんな理不尽ばかりであったのでしょうね。
そもそも戦勝国が敗戦国に理性的に接することなど無いでしょうし、正気の沙汰でしたら、戦など起こしはしないでしょうからね。
しかし、その龍安の処刑に待ったをかける騰大将軍。
龍安に対していったい何の罪だと、城を無血開城した龍安は戦争行為などしていないと主張する騰。
これに対して剛京は、韓の王都新鄭に兵と食糧を送った事が戦争支援に該当してその罪により裁かれると言います。
剛京は808話の初見で感じたほどの傲慢なアホ文官でもなく案外理性的でまともな文官のように思えますね。
それでも騰はその二点が処刑になるほどの行為とも思えないし不当に殺すなと剛京に言います。
録鳴未も騰の言動にどうした?とこの場に居る騰以外の人はほぼ全員剛京の正論に同意しているようで、この時代はまだこの剛京のいう事が当たり前のことだったのだろうと思われます。
剛京は軍が討ち破った敵国の領土を治める文官は、侵略された恨みを抱えている民たちの反乱の拠り所になる元の統治者はその後の反乱を起こされて流す血を無くすためにも処刑しておかなければならないと。
戦いが終わった後の地で本来流れなくてよかったはずの血を流さないために反乱の御旗になるような存在は断じておくべきだと主張。
あながち間違ったことではないと思えますね。
そして剛京のその言葉に渦中の龍安すら、自分をかばう騰を諫め、自分には覚悟はできていて元からこうなることはわかっていたと。
自分の首一つで民が守られるなら喜んで首を差し出すと言います。
その言葉ですべてが治まりそうな空気になりますがそれでも騰はさらに待ったをかけるのでした。
そして騰は龍安の斬首にしようとする者はこの場でこの騰が首をはねると腰のものに手をかけようとします。
これには騰の側近である録鳴未や隆国も止めに入りますが、騰は正気だと言い止まりません。
騰はこれは脅しではないと言い、龍安はいかに六将といえど、南陽長官の自分を斬れば後に斬首となるぞと言いますが騰はそれでも龍安は殺させぬと決意は変わりません。
剛京はなぜそこまでして龍安を救おうとすると不思議がり騰に純粋に質問を投げかけます。
騰はそれに対して、龍安ではなく南陽が特別だからだと即答。
南陽が特別な理由は、秦はこの後、韓王都の新鄭の攻略に入るが、韓の民全体が秦の南陽での動向を見ていると、そこで民から信頼の厚い城主を公開処刑などしたうえで、なじみのない秦法で厳しく民を縛り付ければ新鄭の民はどう感じるか?と言うと緑鳴未が徹底抗戦の士気がより高まるだろうなと答えます。
剛京もならば南陽をそのままにさせておくのか?と逆に質問しますが、騰はそうは言っていないと、それでは城を取った意味がないと言い、しかし中華統一を目指すうえで、今後は落とした城の治め方も新しいものに変えていかねばならないと言い、南陽を秦と韓の人と文化が入り交じった理想郷に作り変えていくのだと主張。
そしてそれが叶えば韓の反発も緩やかになっていくだけではなく、今後の中華統一へ向けての試金石となるのだと言うのでした。
剛京はこれまでのルールの中で言えば完全に正論を言っていますが、戦で落ちた城の直後をいつも見てきた現場を1番長く知る六将である騰だからこそ行きついた考えであるのでしょうね。
今後は今まで通りただただ力で押さえつけ屈服させていくだけではうまく事は運ばないことは騰が肌身で感じていたのでしょう。
騰はさらに続け、六大将軍とは昭王が作った制度で戦争の自由が与えられていたが、今の六将には戦争の責任も付随すると騰は言い、その言葉に六将を目指す信も反応します。
そしてその戦争の責任は中華統一を目指すのならば、中華全土の民の生き方の責任であると騰は続けました。
録鳴未はそんな事は、王や丞相が考えるものだろうと言いますが、可了貂は、なぜ蒙武でなく騰に韓攻略を任せたのかがわかったと心の中で呟き、六将騰にはこういう視点があることを昌平君は知っていたんだと納得するのでした。
しかしそれでも剛京は顔通り強情で龍安処刑は譲らず、騰もならば仕方ないと剣を抜きますが、そこに隆国が割って入り、まず地方長官と六将の立場がどちらが上かという事を言い、剛京が長官が上に決まっていると言うと、そうとも限らないと特権階級にある六将と長官がどちらが上かは今まで誰も聞いたことがないと言い、この事に関しては咸陽に指示を仰ぐため一時的にこのもめごとは隆国が預かると言うのでした。
それに剛京、騰、ともに承諾し裁定は咸陽送りとなりました。
そして再度、南陽城には一度降ろされた韓の旗が掲げられ秦と韓の旗が並んで掲げられることとなるのでした。
キングダム809話は、戦ではありませんでしたが、戦のクライマックスのシーンくらいある意味興奮しましたね。
騰大将軍の覚悟と先見の明が輝いた一話であったと思います。
そして可了貂のいう通り確かに蒙武ではこうはなっていないでしょうね。
昌平君は、この南陽城での論戦まで見越して騰と剛京をわざとぶつけたのではないかと勘繰りたくなるほどの今後にとって必要な論戦では無かったのではないでしょうか?