ハンターハンター406話「神器」 – フルイメージバージョン
1. マフィアと旅団。変わる対立構造
ボノレノフのやらかしが、一話の間も無くヒンリギに看破されました。
展開早っ!!
完全にお仲間ではなかったものの、裏稼業同士、打ち解け始めた矢先の対立です。厳しい世界…。
それぞれの組織と旅団の関係がどうなっているか、今一度整理してみましょう。
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一層:ヒソカ滞在中。ボノレノフ待機中。王族居住空間にクラピカ。
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二層:(特記なし)
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三層:エイ=イ組、モレナの根城。フィンクス、フェイタン移動中。ハルケンブルグの葬儀のスタート地点で、ここから二層→一層へ移っていく。おそらくクロロもいる。
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四層:シュウ=ウ組根城。第3王子と連携。組員のヒンリギ、ザクロが旅団(ボノレノフ)の暗殺に気づく。
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五層:シャア=ア組根城。第7王子と連携。若頭のオウがモレナと繋がっている様子。ノブナガが戻ってきている途中。フランクリンもいるのかな?
ゾルディック兄弟は拘束から解かれてどこにいるのやら。
あとの旅団メンバーはマチ、シズクの女性組。彼女らも動きが見えません。
シュウ=ウ組とシャア=ア組は利害が一致しており、共闘が容易。ケツモチである王立軍に連絡すれば、上から下からの挟み討ちもできそうです。
しかも、王立軍は十二支んをアドバイザーとして迎えている。
ヒンリギが早くも「落とし前」に動き出せば、旅団は各層に敵を迎える袋のネズミ状態。大変にえらいこっちゃです。
10人しかいないのに。
しかもバラけているのに。
旅団 VS カキンマフィア+王立軍+ハンター協会ともなれば、旅団側に与することができるのは、「世界をぶっ壊したい」モレナ達エイ=イ組。
旅団とエイ=イ組は、まだちょっかいかけられた程度で、直接の命のやり取りはありません(ノブナガのやらかしから眼を逸らす)。もしかしたら、敵の敵は味方展開になるでしょうか?
ノブナガにとっては、すっっごい嫌な展開です。
彼はヨークシン編でも敵であるゴン・キルアとも仲良くなっていましたが、またもそういう役回りになったりするでしょうか。
そして気になるのが、一層のヒソカ。
彼は何故こんなVIP待遇で乗船しているんでしょう?
ノーマルなタイマン・バトルにしか興味がないのなら、自ら進んで暗黒大陸などというフリーク・ワールドに向かおうとするでしょうか。
十二支んを追って?旅団が来ると知っていて?
それにしては悠長なご様子。
のんびりと退屈しのぎに興じている様は、船内では特にやることがない。手持ち無沙汰にあるように伺えます。
彼が「モレナのジョーカー」なのでしょうか?
モレナに雇われたとして、なぜ小回りのきく三層でなく、遠い一層に待機させているのか。
私は、「モレナのジョーカー」は第二王妃と考えているので、彼女に雇われたとかの可能性は、あるのかなと思ってしまいます。
そうだとして、王妃とのコネクションはどこで生まれたのか?
興味深いのは、同じく出どころが不明な、クロロの知る「カキンの至宝」の情報。
クロロはヒソカが旅団にいた頃から秘宝を求めており、噂伝いに「カキンの至宝」について聞いていた。それを知るヒソカは、イルミと鬼ごっこをしている最中に、カキン国の渡航ニュースを聞き、旅団が来るかもとコネクションを探し、王妃と巡り会った。
そんなストーリーがあるのかも(けっこう無理やり)。
そうであるなら、ある程度ヒソカも旅団との遭遇を予感しているはずです。
旅団の乗船をヒソカが知れば、きっと狩人モードに変わるでしょう。
マフィアとの対立が決定的な騒ぎになれば、旅団はますます不利になりそうです。
2. クロロのしたい全てのこと
クロロくん。もう少し自分の幸せを見て生きてもよいんじゃないかい?
今話で見えたクロロの覚悟には、どうしても悲しさを覚えてしまいます。
なぜ誰かを、自らを犠牲にする形でしか目的を達成できないのか…。
中頃に描かれていたクロロのモノローグで、彼がやりたいことの全てが表れていました。
整理すると次になります。
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上層へ向かいたい
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なんで?👉秘宝がほしいから
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なんで?👉スキルハンターをレベルアップさせたいから
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なんで?👉レアで強力な能力を盗みたいから
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なんで?👉ヒソカを確実に仕留めたいから
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お宝を手に入れる目的はヒソカを殺るためです。そして、その達成には上層へ行く必要があります。しかし、上層へ行くとヒソカに気づかれる可能性が上がる。デッドロック状態。
でも、「それでもいい」そうです。
ヒソカを倒すために上層へと向かった結果、先にヒソカに出くわしてもいい。
なぜなら「既に次善の策は整った」から。
これはどういう意味なのか?
上のクロロの目標達成ステップには、さらに続きがありました。
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ヒソカを確実に仕留めたい
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なんで?👉殺された仲間の復讐を果たし、旅団を存続させるため
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なんで旅団を存続させたいの?👉旅団を存続させることで、世界を畏怖し続け、故郷を守ることが旅団の究極目的だから
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幻影旅団の最終目的は「故郷を守る」。
強い念能力者を探し求めるのも、世界に冠する悪党を敵に回すのも。流星街に手を出した者を、何を犠牲にしても爆殺するのも、全ては故郷を守るため。
当然ヒソカ抹殺も、究極的には「故郷を守る」ことに繋がるアクションなのでしょう。
「ヒソカを殺し👉旅団を守り👉故郷を守護し続ける」が最善だとするなら、次善には次の2つの選択肢がありそうです。
(1) ヒソカを殺せなくとも👉旅団を守り👉故郷を守護し続ける
(2) ヒソカを殺せず👉旅団が崩壊しても👉故郷を守護し続ける
選択肢1は、例えば思いつくのが「死後の念」。死してなお、ヒソカを殺すキラーマシンになれる算段があるなら、ヒソカに早く遭遇しても問題ないはず。「誰でも”死後の念”」は、世界観を汚しそうな気はしますが。
あるいはネテロのように、自らの肉体に爆弾を仕込み、死なば諸共作戦もあるかもしれません。閉鎖された洋上でそんなことしでかしたら、ヒソカ諸共というか、旅団諸共滅亡しそうですが。
なら選択肢2はどうでしょう?
己の強化が果たせずヒソカに会ってしまってもいい。なぜなら、お前に殺されようが、今の旅団がなくなろうが、〈旅団〉は動き続けることができるから。もはや何をしようがクモは止まらない。
聡いクロロなら、一代限りで旅団が終わることを良しとしないのではないでしょうか。永続的に流星街の守護者となる仕組みを考えることは、不自然ではありません。それこそ、「壺虫卵の儀」を作ったカキン王国先代のように。
しかし、これは恐ろしい発想です。
前回で、旅団メンバーはクロロの心労を労っていると分かり、クロロのためには、もはや旅団解散も致し方なしと考えていると想定されました。
その一方で、クロロ自身は今の旅団がどうなろうと – 全滅しようとも、構わないと考えている。少なくとも「不滅の〈旅団〉」にクロロ自身の生死は含まれていません。
悲しくも恐ろしいすれ違い。
私は、クロロは己の命を投げ打ってでも、仲間の命は何より大切にする男だと思っています。「自分」vs「故郷の安寧」の天秤であれば、後者に重く傾けるでしょう。しかし、「今の旅団の仲間」vs「故郷の安寧」の天秤で、クロロはどちらに重きを置くのか?
作中で、クラピカとクロロは常に対比で描かれてきました。
ヨークシン編では、使命よりも仲間を優先するクラピカの心性を、弱点だとした。今回もクラピカとの対比が生まれるなら、クロロは仲間よりも使命を、「今の旅団」よりも「未来の〈旅団〉」を、選び取るのでしょうか?
その方が、将来的にはきっと多くの同胞を救えるでしょう。しかし、かなり常人離れした選択ではある。もはや人の心を失った選択だと言ってもいい。
そんなクロロを、旅団団員は許せるのか。受け入れるのか。
守るための戦いを続けるクラピカ。
殺し続けるための策略を練るクロロ。
暗いクロロの道筋に、それでも最後は許しが訪れるのでしょうか?
行く末が気になります…!
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最後までご覧いただきありがとうございました!
クロロにスポットが当てられると、ついつい彼のお母さん目線に立ってしまいます。
だってあの純朴な少年の頃のをみてしまったら…。
旅団が生き残りうる展開として、クラピカとの共闘があったりしないですかね…?
旅団(クロロ)はカキンの秘宝を盗みたい。クラピカは継承戦を終わらせて欲しい。実は2人は利害が一致しています。
ただ、もちろん旅団はクラピカの宿敵。クラピカにとっては、クロロに盗んでもらう必要はなく、自分でぶっ壊せばいいだけの話です。むしろヒソカに旅団ぶっ壊してもらえる方が嬉しいかもしれません。
うーーん。
旅団の明日はどっちだ…!